労災かくしとは、労働災害発生時において①故意に労働者死傷病報告書を所轄労働基準監督署長に提出をしないこと②虚偽の内容を記載した労働者死傷病報告書を所轄労働基準監督署長に提出することを指します。

罰則の適用と書類送検の可能性について

労災かくしには50万円以下の罰金が設けられており、労災かくしの行為者のみに限定されず、その事業者も同様の責任を負うこととなります。また、労働基準監督署では、司法警察員として、安全衛生法違反者を送検できる権限を付与されています。
例えば、以下のような送検事例があります。

◯◯労働基準監督署は、虚偽の「労働者死傷病報告」で労災かくしを行ったとして、労働安全衛生法違反の疑いで建設会社Mと同社の専務取締役を◯◯地方検察庁に書類送検した。同社は元請建築会社から二次下請けしたビル建設工事を行っていたが、同社労働者が同建設現場において、誤って熱湯を浴び全治3週間のやけどを負った労働災害が発生した際、元請けの工事現場で起きた災害であるにも関わらず「自社の資材置き場で起きた災害である」と労働基準監督署に虚偽の報告をした疑い。工事現場での労災保険で保障されることにはなっているが、同社専務は「元請けの労災保険を使うと迷惑がかかり、今後仕事がもらえなくなると思った」と供述。
(厚生労働省ホームページより抜粋)

被災者には正しい労災手続きをする

罰則や、送検のリスクがあるからという理由だけでなく、被災労働者に医療費の自己負担をさせる不利益をなくし、休業中における生活の安定を守るためにも、事業者は適正な労災保険に関する手続きを行わなければなりません。

労災かくしによる検察庁への送検件数の推移(参考)

労災かくしデータ表

引用元:厚生労働省「労災かくし」の送検事例 https://www.mhlw.go.jp/general/seido/roudou/rousai/4.html