安衛法では、労働者の安全と健康の確保および快適な職場の実現のために、事業場における安全衛生管理体制の確立、危害防止基準について最低基準を定め、罰則を設けて、これに違反する事業主に刑事罰を科することとして、その実行の確保を担保しています。
労働基準監督官の権限について
労働基準監督官は、上司の命をうけて、安全衛生法にもとづき事業場への立ち入り検査、その他安衛法の施行に関する事務を行います。
立ち入りに際して、関係者に質問し、帳簿、書類その他の物件を検査する等の権限を与えられています。この権限を行使する際には、労働基準監督官証票を携帯し、関係者に提示する義務があります。
事業者は立ち入りおよび、検査等を拒み、妨げ、もしくは忌避し、または質問に対して返答をせず、もしくは虚偽の返答をした場合には、司法処分の対象となる場合があります。労働基準監督官の立ち入りは、原則として通知なく行われますが、事業場は可能な範囲で立ち入りに対応することが求められます。
労働基準監督官は、安衛法に違反する罪について、刑事訴訟法に基づく司法警察員の職務を行います。特定の分野について、司法警察員の職務を行うことから、特別司法警察員と位置づけられています。
構成労働大臣および都道府県労働局長の職権について
厚生労働大臣または都道府県労働局長は、その職員をして形式検定を受けた者の事業場、事務所、機関等に立ち入らせ、関係者への質問等を行うことができるとされています。
使用停止等命令等について
安衛法令に定める労働者の危害防止措置および、健康障害防止措置に関し、違反している事実がある場合には、都道府県労働局長、労働基準監督署長は、事業者に対し、作業の全部または一部の停止命令、建設物等の全部または一部の使用停止、または変更等の措置を命ずることができます。労働基準監督官は、労働者に急迫した危険があると判断した場合は、都道府県労働局長、または労働基準監督所長の権限を即時に発動することができます。
労働者からの違反申告について
労働者は事業場に安全法令違反の事実があるときには、違反を申告し、是正のための適当な措置を求めることが可能です。労働基準監督機関が申告を受けた場合には、迅速に処理する必要がありますが、労働者が申告をしたことを理由として、解雇その他不利益な取り扱いをすることは禁止されています。
