「なぜ、事故は起こるのだろうか?」職場での労働災害は、一瞬にして従業員とその家族、そして会社に大きな影響を与えます。災害を未然に防ぐためには、まず「労働災害がどうして発生するのか」そのメカニズムを理解することが重要です。
労働災害の原因と結果
労働災害は、結果(ケガや疾病など)と原因(事故のきっかけ)が結びついて発生します。原因は大きく「直接原因」と「間接原因」に分けられます。
① 直接原因
これは、災害の発生に直接結びついた具体的な要因だといえます。一般的に、災害の瞬間に関わっている「人」と「物」の状態を指し、「不安全な状態」と「不安全な行動」の二つがあります。
1)不安全な状態(物): 設備や機械の欠陥・不具合、保護具がない、作業環境が悪い(整理整頓不良、暗いなど)
2)不安全な行動(人の失敗): 危険な場所への接近、保護具の不使用、安全装置の解除、間違った手順での作業など。
② 間接原因
人的・物的対策、規則・基準、ひょうか体制、管理・監督などの欠陥など
人間の行動災害
労働災害の多くは、人の行動に原因で発生します。特に、「不注意」と「不安全行動」は人間が原因となる行動災害の大きな要因となります。
① 不注意
作業者が一時的に注意力を失っている状態です。これが直接原因である「不安全行動」につながることがあります。
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例: 無知、未熟練、錯覚、パニック、心配事、疲労など
② 不安全行動
作業者が「危ない」としりながら取る行動、あるいは危険な作業方法を自ら選ぶです。これは、不注意だけでなく、知識不足や手順の誤解からも発生します。
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例: 危険軽視、慣れ、近道行為、省略、悪習慣など
労働災害4つの状態
労働災害の発生は、多くの場合、次の4つの状態が連鎖して起こると考えられています。これは、アメリカの安全研究家H.W.ハインリッヒが提唱した「ハインリッヒの法則(ドミノ理論)」をより分かりやすく示したものです。
- 管理の失敗: 安全管理体制の不備や教育不足など、間接原因の元となる状態。
- 潜在的危険: 設備の不安全な状態や、作業者の不注意などの状態。
- 接触: 潜在的危険が、ついに災害の対象者と接触・衝突する瞬間(例:機械に手を挟まれる、高所から落下する)。
- 傷害: 接触の結果、作業者が負傷する、または疾病にかかるという結果。
この4つの状態の連鎖のどこか一つでも断ち切ることができれば、労働災害は発生しません。特に、根本である「管理の失敗」と「潜在的危険」の段階で対策を講じることが最も重要となります。
まとめ
労働災害は決して「運が悪かった」ということではなく、必ず原因があります。不安全状態、不安全行動をなくすことが労働災害を減少させる第一歩となります。
