「リスクアセスメント」とは、作業場における危険性および有毒性を特定し、それによる労働災害(健康障害も含む)の重要度(災害程度)と、その災害が発生する可能性の度合いを予測し、リスクの見積もりを行うことを言います。リスクの大きさに基づいて対策の優先順位を設定し、リスクの除去又は、低減の措置を検討、実施して結果を記録するまでの一連の手法を指します。

災害の基本原因は4つの「M」に分類できる

Man:エラーを起こす人間的な要因

Machine:機械設備の欠陥、故障などの機械的要因

Media:作業に関する様々な情報、環境などの要因

Management:管理上における要因

リスクアセスメントの実施

リスクアセスメントを実施する場合の作業実施手順は以下の通りです。

1: 実施体制の構築 → リスクに対して、会議などでトップによる意思表示を行う。会議には、作業に関わる全員が参加する
2: 実施時期 → 設備、作業方法を新規に採用したとき、または変更した時に実施する。
3: 情報の入手 → 作業手順書、取扱説明書、ヒヤリハット事例等、作業に関しての様々な情報を入手する。
4: 危険の特定 → 作業工程ごとに危険性又は有毒性がどこに存在するのか特定する。
5: リスクの見積もり → 危険性や有毒性などのリスクを全体把握して見積もる
6: 優先順位の設定 → 優先度に応じて低減措置を実施する
7: 結果の記録 → 今後のリスク低減におけるノウハウとして蓄積する

<あわせて読みたい>
重篤な災害の発生前には、軽微なものを含めると数百件〜の事故が発生しています。作業標準に関する基本的な考え方を1分で読める記事にまとめています。

>> 作業標準の遵守で不安全行動を防ぐ

リスクアセスメントを実施する際、会社全体で一斉に展開できるのが理想です。しかし、会社全体では難しい場合、特定部門、特定の事業所などから試験的に実施を開始して、その結果に基づき順次、他の部門、事業所等にも広げていくことが効率的な方法です。

まずはリスクアセスメントの手法を取り入れて実施していくことが大切です。そのうえで、不都合な点は適宜見直しをしながら最適なリスク回避をしていきましょう。