声をかけ合って安全作業につとめる

作業中の明確な合図や確認の声がけは、安全作業の基本です。作業中の合図や確認など、言葉によるコミュニケーションは安全作業の基本ですが、最近の現場では活発なコミュニケーションの声が聞こえてこなくなったと言われています。

職場で危険に気づいていない人や、見通しの悪い現場を通るときなど、ひと声かけるだけで事故を未然に防ぐことができます。また、声をかける本人の安全意識の向上や、相手の心身の状態を確認することもできます。

作業に集中している人の中には、周りの危険な状況に気づかないことがあります。うっかり危険な行動をしてしまったり、危険な現場に足を踏み入れる様子が見えたら、ひと声かけて注意を促すことは大変重要です。

安全への声がけに躊躇や遠慮は禁物です。危険な状況を見たり感じたりしたら、大きな声で「安全へのひと声」をかけるよう心がけましょう。

現場メンバーとの共同作業の安全心得

同僚や他の作業場メンバーと共同して作業を行う場合、基本の安全心得として認識をしておきたいのは、作業における共通目的です。それは「与えられた作業を、間違いなく、予定通りに、安全に遂行すること」です。

そのためには、自分が事故や災害を起こさないと同時に同僚やメンバーがトラブルや事故・災害を起こすことがないよう、次に示す8つの配慮が必要です。

①4S(整理・整頓・清掃・清潔)の自分の責任は決められた通りに実施する。

②共同で使用する工具や器具等は、決められた場所に安全な状態にして戻す。

③同僚や共同作業者の不安全な作業や行動は、遠慮せず直ちに是正させる。

④連絡や合図は明確・確実に行い、相手の反応を確認する。

⑤作業中みだりに話しかけたりふざけたりしない。

⑥危険な箇所等はただちに応急対策を行い、メンバーに知らせる。

⑦機械などの修理等の際は、元スイッチや元栓を切り、施錠や表示を行う。

⑧共同作業者が「不安全な行動」を行ったりしたら、なぜ行ったのか、その原因を解明して是正や改善をすすめる。

メンバーや同僚の動向に注意をする

とある障害者支援施設において、送迎車に取り残された障害者の男性が熱中症で死亡する事件がありました。同施設が利用者を確認する機会は、「作業開始前、休憩時2回と昼食時、来所時と退所時」で、連絡帳を受け渡すことで確認を行う取り決めになっていましたが、規定された通りに行われておらず、被災者は車に取り残されたまま、熱中症で死亡するに至りました。

労働安全衛生規則では、例えば酸欠危険作業や坑内作業時の際は人員を点検しなければならないとし、「点検」については、ただ人数を数えるだけでなく、労働者個々の入退場について確認することとしています。

私達の職場では少人数で広範囲な作業エリアを担当しているケースが少なくなく、もし異変があったとしても気づくことができないケースが増えてきています。メンバーや同僚、部下の心身の健康状態や作業中の所在や動向について、一人一人が見逃しや、見過ごしなどがないように注意することが求められています。