少し前からストレス社会という言葉をよく聞くようになりました。職場でのストレスマネジメントは特に重要視されるようになってきています。
職場や仕事での強い不安や悩みなど、ストレスを感じる人は約6割にのぼると言われています。近年では、仕事の負荷と精神疾患の発症に関連性が強いと認められた場合には労災として認定されるようになり、企業の安全配慮義務の観点からもメンタルヘルス対策は大変重要になってきています。

過大なストレスは心身に様々な影響を与えます。高血圧や精神病など、生活習慣が悪化するほか胃潰瘍、心筋梗塞などの発症なども挙げられています。また、不安感やイライラ、意欲の低下、不眠、アルコール依存症やギャンブル依存に進んでしまうケースもあります。

平成26年、メンタルヘルス対策の強化を含む安全衛生の改正が行われ、ストレスチェックなどでストレスマネジメントの重要性と向上が国を主導に図られるようになりました。

メンタルの不調は本人だけでなく、職場の人間関係を悪化させ、事故や災害の要因にもなりえます。メンタルヘルス対策には職場全体で真摯に取り組む必要があります。

健康診断を自分の健康管理に役立てる

近年、事業所の健康診断の項目について「有所見」つまり、何らかの異常が認められる人が55%にも及んでいます。「健康診断」は、労働者の健康状態を継続して把握し、健康の維持増進や健康の状態に応じた措置を講じる場合の重要な資料となるものです。

健康診断には、労働者を対象とした「一般健康診断」と、法令で定められた有害な職場や有害な物資等を取り扱う労働者を対象とした「特殊健康診断」があります。

これらの健康診断は「実施後の措置」を適切に行って初めて実施する意義が出てくるものです。実施後の措置を行わない、いわゆる「やりっぱなし検診」にならないように事業者側も注意が必要です。健康診断は、疾病等の早期発見・早期治療ならびに日常の健康管理につなげるものです。必ず受診して、異常があったら、専門の医療機関で診察を受けるようにしましょう。

5月病の原因と対策

「5月病」は4月に進学、就職、他部署への移動・転勤などで環境が大きく変わる中、新しい環境にうまく対応できずに強い精神的ストレスを感じて、うつ状態になる症状を総称して指します。

特に新しい職場へ配属をされる新人・転入者等に多い「5月病」の主な原因は、新しい環境についていけない、新しい人間関係がうまく構築できないなどです。その結果・精神的な症状として「抑うつ・不安感・焦りやイラ立ち・無気力」などがあります。また、肉体的な症状として出てきやすいのは「胃の痛み・めまい・動悸・呼吸の浅さ・食欲不振・不眠」などが挙げられます。

これらの症状が続くようであれば心療内科や精神科などの受診が勧められています。

また、5月病の原因のひとつに、4月末から5月はじめにかけての連休期間中における、生活の乱れも挙げられています。とくに睡眠のリズムが乱れることによる影響が大きいと専門家は忠告しています。
自分を含めて同僚の様子もチェックして、「5月病」のない職場を目指しましょう。