事業者と労働者の間には、雇用契約が存在しています。契約上における責任は、契約内容に示されているものについて生じるものです。したがって、契約内容に含まれていない事項については責任を負わないことが原則となります。しかし、一定の法律関係にある当事者同士は相手の生命や身体などの侵害が生じないように配慮する義務が生じると、民法上では定義されています。この義務を安全配慮義務と言います。
安全配慮義務に関しての要点
■安全配慮義務は雇用契約から生じる使用者側の契約上の義務
■安全配慮義務は労契法5条に法律上の義務として規定
■安全配慮義務は各労働環境の違いに応じて雇用関係と照らしあわせたうえで、具体的に決められる
安全配慮義務の具体的範囲と使用者の責任について
使用者側は「安全配慮義務」を怠ってはならないとなっています。では、具体的にどこまでの義務を追っているのでしょうか。以下の図で具体的な範囲が示されています。
安全配慮義務といっても、現場によって状況が異なるため一律に定められるものではありません。ただ、労契法5条において「使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。」と定められています。
安全衛生法における、義務の主体は「事業者=個人事業主および法人」と定められています。実際の現場では、安全管理に関する責任と権限を付与された安全衛生管理者が、安全配慮義務の実施者となります。
尚、労働関係についても各現場ごとに大きく異るため、安全配慮義務の詳細な内容については、労働者の職種、労務の内容、作業現場など、安全配慮義務が問題となる具体的状況等を総合的に判断する必要があります。
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企業に課せられる『安全配慮義務』について、1分で読める記事にまとめています。
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