高圧ガス容器(ボンベ)等の取り扱いと管理

職場や家庭の中にはスプレーガスや燃料ガス容器などが多数保管されたり、使用されています。これらの高圧ガス容器は、熱せられると容器内のガスが噴出して、爆発や火災、中毒などの災害を大きくしてしまいます。高圧ガス容器を保存したり容器のガスを使用するときは、特に次の4つの事項に注意する必要があります。

①容器等に記載されている注意事項を熟読してその注意事項等は必ず遵守する
②圧力容器(スプレー缶等を含む)は直射日光の当たる場所や、ファンヒーター、ストーブ等の温度が40度以上となる場所に置かない
③空になった容器等は、事業場や自治体の規定に沿って管理・処理する
④ガス溶接等各種の業務用高圧容器類は、それぞれの資格者および責任者が規定に基づいて使用・保管・処置することなど

密閉された設備内での作業について

密閉設備等での酸欠や中毒、爆発などで被災する事故が多数報告されています。タンクや密閉装置内の点検や管理を行うときは、爆発等の事故や酸素欠乏・中毒等の災害を想定して最低限の時効を守り、徹底する必要があります。なお、タンクの上方が開いているからといって安心は禁物です。質量の重い危険・有害なガスや蒸気は底部にたまっているからです。

①密閉箇所の作業は、作業前に調査を行い、綿密に作業計画を立てて実施する
②内容物の除去・置換・換気・配管の遮断・標識・表示・施錠・ガス検知などを確実に行う
③作業監督者(酸欠危険作業主任者等)を専任し、主任等の指示を必ず守る。また、監視人を配置し、常時連絡が取れる体制を整える
④残留ガス等の点検と測定は定められた手順で実施し、異常値が生じたらただちに作業を中止し、必要な処置を行う
⑤作業終了時はタンク等に持ち込んだ物品等が残っていないことを確認する

危険物の爆発・火災事故とその防止策

現場での爆発事故・火災事故は、化学物質や危険物、高圧ガス等を取り扱う様々な業種の事業場で発生しています。市場に出回っている科学物質や危険物の種類は増加の一途をたどっており、爆発火災の危険性は様々な分野に広がっていると言えます。

最近の爆発・火災の事例を見ると、次のような作業での発生が目立ちます。

①危険物のタンクや設備の修理、メンテナンス等の作業
②可燃性ガスを使用する溶接・溶断作業
③引火性の塗料・接着剤等を塗布、加熱または乾燥を伴う作業
④床などに体積した金属粉塵等の取り扱い作業
⑤地震などの際、漏洩したり溢れだした危険物の除去作業

これらの事故や災害防止には、職場の危険物等の状況や性質を適切に判断し、異常事態も含め安全な取り扱い方法を定め、教育などで徹底を図る必要があります。