建設業事業者は、常に50名以上の労働者が働く現場ごとに、安全管理者と衛生管理者を選任する義務があります。今回は安全管理者・衛生管理者の役割等についてお伝えいたします。

安全管理者の選任について

安全管理者の選任については原則として作業者人数の規定はありません。しかし、現場の規模や作業の実態に即し、必要だと判断をされる場合には、2人以上の安全管理者を選任するように努める必要があります。

安全管理者の職務

主に作業場の巡視、作業者に対しての安全教育など安全衛生職務における安全に関する具体的な事項を管理するとされています。

安全管理者の資格要件

①次のいずれかに該当する者で厚生労働大臣が定める研修を修了したもの

ア:大学又は高等専門学校における理科系統の課程を卒業し、その後2年以上産業安全の実務を経験した者

イ:高等学校等の理科系統の課程を卒業し、その後4年以上の産業安全の実務を経験した者

ウ:高等学校等の理科系統以外の課程を卒業し、その後6年以上産業安全の実務を経験した者

②労働安全コンサルタント等

③その他厚生労働大臣が定める者

衛生管理者の選任について

衛生管理者については事業場の規模に応じて選任すべき人数が決められています。(下記の表を参照)

衛生管理者の人数

衛生管理者の職務

労働者の健康管理、衛生面の管理や衛生教育など安全衛生職務における衛生に関する具体的な事項を管理することとされています。

衛生管理者の資格要件

1.一定の屋外・工業的業種

①第一種衛生管理者免許保持者

②衛生工学衛生管理者免許保持者

③医師

④歯科医師

④労務衛生コンサルタント

2.その他の業種

上記のほか、第二種衛生管理者免許保持者

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選任・報告について

安全管理者・衛生管理者ともに、選任すべき事由が発生した日から14日以内に選任しなければなりません。また、選任したときには遅滞なく、選任報告を所轄の労働基準監督署長へ提出することが義務付けられています。

選任義務違反による罰則について

安全管理者および、衛生管理者の選任義務があるにもかかわらず選任をしなかった場合には、50万円以上の罰金に処される可能性があります。