作業場で発生する大事故は、大型連休前後やメンテナンス等による生産設備や装置を長期間停止する際と、再開時に多く発生しています。
大型連休前は、納期や仕事納めにより日常業務から外れたイレギュラーな作業が発生し、業務に混乱や支障が起こりがちです。また、世間の雰囲気も慌ただしくなり、作業者の心もソワソワと乱れたりもします。

休み明けの安全作業心得

長期休業の休み明けは、仕事モードに心が切り替わらず落ち着きのない状態で作業を進めやすいものです。また、設備や装置にメンテナンスが入ったり、新しい機能が追加されたりと業務内容に変化が伴うこともあります。これらの理由により、長期メンテナンス後の立ち上げなどでは様々な要因で事故が発生しやすいとされています。

休業後の立ち上げ作業では、休業前の段階で立ち上げ作業に潜む危険性を洗い出し、必要な対策等を事前に確認しておくとともに、休み明けに再確認することが重要となります。

立ち上げ作業時は、次の4項目の心得を参考にして適切に実施しましょう。

①休み明けは、前日から体調を整え、心身に余裕をもって早めに出勤し、明るくあいさつを交わしメンバーの健康状態を観察する。元気よく丁寧に体操を行う。

②作業開始前、立ち上げ時の作業の危険性について、全体の作業ならびに個々の作業について危険予知を行い、必要な対策を行う。また作業は落ち着いて進めるよう心がける。

③機械や設備等について、決められた作業前点検を確実に行う。少しでも異常が見られる場合は速やかに上司や関係スタッフに報告を行い指示を受ける。

④作業メンバーの動きに不安全な行動が認められた場合には、速やかに行動確認を行い、必要に応じて適切な行動へと改善する。

長期休業中にも意識したい安全衛生

長期連休は心も体もリフレッシュできる良い機会です。ただ、油断をすると業務外で思わぬトラブルに見舞われることがあります。また、世間の長期連休期間に関係のない業務や勤務体系の人でも、家族や身近な人々の影響により、心身のリズムが乱されるおそれもあります。お互いに、長期連休期間の安全・衛生・防災管理には十分注意しましょう。

休業中の行楽などの計画は無理な行程を組まないこと、車で遠出するときは車の点検・整備をしっかりと済ませておくことは最低限行います。

何より連休期間中に生活のリズムを崩さないように気をつけます。出勤日が近づいてきたら心身のリズムを「休みモード」から「仕事モード」へ徐々に切り替え、生活自体を通常に戻していくよう心がけることが大切です。これら心身の準備が、休み明けの事故や災害を防ぐことに繋がります。