リスクアセスメントとは

「リスクアセスメント」は職場の設備や環境等に生じる危険性を洗い出して特定し、それらのリスクを評価して、低減措置を計画的かつ効率的に推進していくことです。具体的な施策については労働安全衛生法および、その指針で次のように定義されています。

職場に潜在する危険性や有害性を洗い出して特定するにあたっては、関係スタッフ、内外の事故・災害事例、安全データシート等から資料を収集し、事故や災害の予測を行い、予測された事故や災害の程度や可能性を評価して対策を決定します。

リスクの低減措置に当たっては、法定事項は必ず実施することとして実行します。

リスク低減措置 優先度① 作業そのものの危険・有害性の排除

危険・有害な作業の廃止・変更、危険性や有害性が低い材料への代替等、危険性・有害性を除去または軽減する措置

リスク低減措置 優先度② 安全装置などの物的対策

ガード、インターロック、安全装置、局所排気装置の設置等、光学的対策の実施

上記2点の措置が困難であると判断された場合は、マニュアル整備や教育訓練等の管理的対策、個人用保護具の使用などを行います。

なお、重篤な傷病を引き起こすおそれがあるリスクに対しては暫定的にでも安全措置を速やかに講じる必要があるとされています。

事故や災害を想定して管理を行う

職場で事故や災害が多発していた時代は、職場全体で危険意識を常に持ち、自分たちの職場の状況と照らし合わせて安全対策を実施せざるを得ない状況でした。

ただ、実際に事故や災害の発生を目にしたり、聞いたりする機会が少なくなるとどうしても安全意識が薄れてきます。

重大な事故や災害が発生すると、多くの当事者は「このような事故はまったく予測できなかった」と言います。しかし、人為的な事故や災害においては多方面からの情報や意見、類似災害事例等を参考にして起こり得る事故をシミュレーションしておくことで、防止できるものが大半を占めます。

事業場内外の事故や災害事例に関心を持って接し、危険性に対する想定力を高め、リスクアセスメントやKY活動で職場の安全性の確保を行う必要があります。