電動工具の安全な使用

電動ドリルやハンドグラインダなどの電動工具は、職場に常備してあり、多くの作業者が安易に使用していることから、事故や怪我があとを絶ちません。電動工具の使用にあたっては次の事に十分注意が必要です。

①電動工具は、コードを含めて使用点検を必ず行い、不備な点があったら使用をやめるか補修を行う

②使用開始時には機器の作動スイッチがOFFとなっていることを確認してから電源プラグを差し込み、終了後は機器の作動スイッチをOFFにしてから電源プラグを外すことを必ず守る。

③電源プラグを外す際はコードを引っ張って抜くことは行わない

④移動の際に電気コードを動かす必要がある場合は、金属の鋭い角に引っ掛けたり、かすったりしないように注意を払う

⑤回転する電動工具は、振り回されないよう機器をしっかりと固定するとともに駆動部に手や顔を近づけない

⑥電動工具を駆動させたまま台や床に置かない

予想外の事故原因である「静電気事故」について

空気が乾燥している秋から冬にかけては「静電気」が発生する可能性があります。静電気は、火災をはじめ設備等の事故や人を巻き込む災害の原因となっており、主に物と物との間に生じる摩擦によって起きたエネルギーの一部が電気エネルギーに変換されたものが静電気として発生します。このエネルギーの放電により火花が発生し、爆発などの事故原因となります。次のような設備や作業については特に注意が必要です。

①危険物を収納するタンクやドラム缶およびこれらの危険物を注入する設備や器具

②引火性のものを含有する塗料、接着剤などを吹き付け塗布する設備

③危険物等を扱う乾燥設備またはその付属設備

④可燃性の物体を空気移送やふるい分けする設備

静電気は、温湿度などの環境条件、あるいは材料や速度などの作業工程条件によって、発生頻度や量および放電の危険性は大きく変動します。したがって、これらの危険性を低下させる除電設備装置等が有効に作用するように点検・整備し定められた作業方法や作業手順を守ることで事故の発生を防ぐことができます。

自動機械による事故や災害について

多くの作業現場では、産業用ロボットや自動機械が多数使用されています。とくに近年では、AI(人工知能)を取り入れること、またインターネットで繋がった自動化機械(IOT)の進展等に伴い、自動機械による新たな問題や事故、災害が発生しています。自動機械による災害事例では次のようなものがあります。

①自動機械の作業中にトラブルを発見した作業者が、トラブル処置をしようと手を出した際、機械の危険箇所に挟まれて被災

②自動走行車が走行しているのに気づかず、走行ラインに入ったことにより後ろから追突されて被災

③自動機械のスリープ状態を完全停止状態と勘違いし、危険領域に入って被災

④安全装置が故障しており、機械が停止せずに被災

⑤関連機器と主要機器間での調整機構が作動せず、思いがけず機械が動作して被災

自動機器については、取り扱い説明書を熟読するとともに、常に安全第一を念頭において操作を行うことが大変重要です。