災害が起きてからでは遅すぎる

”全く予想できなかったから仕方がない” ”ただ運が悪かった” 等、どうしようもない自然災害などは「天災」だと言えます。しかし不安全な行動や不安全設備などによる災害や事故であれば、立派な「人災」です。

災害の原因を見ていくと、「作業する人の不注意」「不安全動作」「作業手順無視」 など、作業者自身が気をつけていれば防ぐことができた災害が、実に90%を超えています。つまり、作業者自身が注意をすれば、ほとんどの災害や事故は防げると言うことです。

しかも、災害の多くは繰り返し同じような原因で発生していることが多いことから、実は予測できなかった災害は、ほぼないに等しいと言っても良いくらいでしょう。

「作業前の安全点検を怠った」「作業手順を守らなかった」「現場の整理整頓が疎かで散らかっていた」など、災害の原因は、大抵がこのいずれかにあてはまります。災害や事故を減らすにはこれらの原因をなくしていくことです。

つまり、災害の多くが「人災」であるのが現実だということです。逆に考えれば、人がしっかりと気を付ければ災害がなくなるとも言えるでしょう。まずは、ひとり一人が災害防止に対して意識を高く持ちましょう。

安全には自分も他人も関係ない

現場では自分だけでなく、多くの他の会社の人と一緒に働くことも多いでしょう。例えば、他社の人が不安定な姿勢で作業をしていたり、危険だと予測されるような状況下で作業をしていたとしたら、あなたはどうするでしょうか。

ほとんど面識がなく、気軽に話しかけられるような間柄ではない場合「あれくらいなら、多分大丈夫だろうな・・・」と声をかけるのが面倒で、見て見ぬふりをしていませんか。

現場では、ひとつの油断が命に関わることも少なくありません。たとえ、他社の作業者だったとしても一緒に働く仲間だという認識を持つことがとても大切です。そんな仲間が万が一大怪我をしてしまったら作業に関わる全員が悲しい思いをします。また、仕事の側面からは後の工事工程にも大きな影響が出るでしょう。

自分自身もいつどんな時に誰かの助けが必要な状況になるかもわかりません。特に安全面に関しては安全を一番に考えて、互いに助け合うこと安全でスムーズな作業につながります。

他社の人、特に面識のない人への指摘はためらってしまいがちだと思います。ただ、それを放置すると災害や事故につながる危険性もあります。たとえ、面識がなくとも自然と声がけができるような現場づくりが災害防止の第一歩です。

災害防止には自分も、他人も関係ありません。ケガをしそうな人や困っている人などがいた場合には、自社の人だろうが他社の人だろうが関係なく手助けをするように心掛けをしたいものです。