安全大会運営をトラブルなく、かつ効率的に行うには準備段階からの情報共有が適切に行われている必要があります。ここでは、情報伝達のルールを明確にしてスムーズに準備から開催まで遂行できるように、要点をまとめましたので見ていきましょう。

情報伝達の重要性

安全大会当日の運営を取り仕切る立場にあるメンバーは、常に運営関係者との「迅速な情報伝達」を心がける必要があります。情報伝達の質は「安全大会運営の成功」に大きく関わってきます。たとえば大会当日に「誰が知っているかわからない」「誰から連絡が入るかわからない」「予定外の事が発生した場合に誰の指示を聞いたらよいのかわからない」「指示を仰いだがAさんとBさんの言ってることが違う」などの状況に陥ると、大会自体の開始が遅れてしまったり、想定していた行事にトラブルが発生したりすることも考えられます。

情報伝達の組織図を作成する

安全大会で運営を担うのは、「安全衛生協力会」などの所属会社や立場が異なる関係者が、その都度組織を編成して運営することが多いと思います。そのため、日常的な組織体制に比べ、意思疎通が難しい傾向にあると言えます。

しかし、それらを踏まえ、明快で合理的な情報の流れを作るためには

  1. 情報や報告が正確に把握できる体制
  2. 各担当者への情報・指示伝達がルール化されていること
  3. 安全大会運営全体を把握して、一貫した指示判断が出せる体制になっていること

などの要件が挙げられます。役割ごとに担当者を配置しつつ、判断に検討が必要な情報は1ヶ所に集めるなどして一貫性のある運営体制を実現することで、運営現場を混乱させずに運営できます。

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緊急時の対応と指示判断

安全大会の運営にあたっては、各種のトラブルや災害の発生を想定しておくことも非常に重要です。例えば、落とし物や、参加者が道に迷って会場にたどり着けないなどの日常的なものから、台風の接近による大雨や暴風、大雪、おおげさだと思うかもしれませんが、火災や地震等の大きな災害に巻き込まれる可能性もゼロではありません。これらに対しての対応策についてもどのように取り扱うかをルールとしておくことで、被害や損害を最小に抑えることができます。

このような緊急の事態に遭遇した場合については、最低でも以下のようなルールを定めておきます。

  1. 情報をどこに集めるのか
  2. その情報を誰が判断し、実行が必要であれば誰が実行するのか
  3. 意思決定者が不在の場合は、誰が判断するのか

緊急時といっても、小さなものから災害級のものまで様々あり、内容により具体的な対応方法は変わります。しかし、一定のルールを定めておくことで想定外によるパニック状態を、ある程度防ぐことが可能です。

尚、参加者に向けてどのような方法で状況を伝えるのかも非常に重要です。緊急事案の規模が小さく、担当者レベルで対応可能であれば問題ありません。しかし、避難を伴う重大な事案で、いきなり「火事だ!」などと全体放送を入れてしまうと、パニック状態になることが予想されます。運営責任者は、常に冷静な判断が求められます。

会場選定の際には重大な緊急事案が発生した際の避難経路や、場合によっては会場側の避難体制についても確認しておくことが重要です。

まとめ

安全大会の運営は、トラブルなくスムーズに遂行するための準備や組織体制を組むことが大切です。また、数十名から数百名の参加者が同会場に集合することも十分考慮し、各種緊急事態や災害への対応などを想定した準備をしておくことが、最悪の事態を回避する最善策となります。

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